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こんにちは石田です。
最近、本や雑誌、新聞などでFinTech(フィンテック)という言葉をよく見かけます。
さらっと使われていることが多い言葉ですが、一体どのような意味があるのでしょうか。
この記事では、具体的な事例も取り入れながら「フィンテック」の意味から成り立ちまでをわかりやすく解説していきたいと思います。
この記事の目次
フィンテックとはどんな意味?

お金に関する様々なサービスが、最新のテクノロジーを駆使してより便利で快適になる仕組みをフィンテックと呼びます。
お金に関するあらゆるものがフィンテックで便利になる

私たちのお金に関するあらゆるものがフィンテックの対象になります。
以下に一例を挙げてみます。
- 家計簿
- 会社の経理
- 資産運用
- 決済
- 自動車保険
- 不動産
- 保険
フィンテックが誕生したきっかけは株価大暴落からだった

ここで簡単にフィンテックがどのようにして誕生したのか見てみましょう。
フィンテックが誕生したきっかけは、アメリカで起こったリーマンショックです。
リーマン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破綻(Bankruptcy of Lehman Brothers)したことに端を発して、続発的に世界的金融危機が発生した事象を総括的によぶ。
引用元:wikipedia
リーマンショックからどのようにしてフィンテックが誕生したのか経緯を見てみましょう。
リーマンショックにより
欧米の金融機関が経営困難に陥る。
融資の利息や口座手数料が引き上げられる。
貸し渋りが起きる。
金融機関の不信感が高まる。
新しい金融サービスを求める動きが加速。
従来の金融機関の優秀な人材が、IT産業に流入。
新しい金融サービスを提供するフィンテックベンチャー企業が誕生する。

グーグルトレンド(フィンテック検索数)


データで見るフィンテックの成長
次にフィンテックがどれくらいの勢いで成長しているのかデータで見てみましょう。グローバルな投資額

引用元:https://www.accenture.com/

フィンテックを支える5大テクノロジーとは?
次に、フィンテックを急成長させているテクノロジーとはどんなものがあるのでしょうか。フィンテックの5大テクノロジーを以下にまとめてみました。
テクノロジー1. スマートフォン

日本の人口の6割以上がスマホを保有し、世界でも2人に1人が保有するなど、いつどこにいてもインターネットを使えるようになったことがフィンテックを急成長させています。

「スマホで操作する金融サービスがフィンテックともいえます」
テクノロジー2. API

APIとはアプリケーション・プログラミング・インターフェイスの略で、他のシステムやソフトウェアに機能を提供するための規約のことです。
APIをわかりやすく解説すると、あなたも外食をするときに「食べログ」でお店を探したことがありませんか?
「食べログ」で気に入ったレストランを探して、地図を見ながらお店まで足を運ぶことってありますよね。
でもその地図はグーグルマップです。食べログが作成した地図ではありません。
グーグルがグーグルマップAPIを公開していて、誰でも使えるようにしています。

引用元:https://www.mizuhobank.co.jp
金融機関では、みずほ銀行がLINEアプリのAPIを使って、「LINEでかんたん残高証明」というサービスを提供しています。
テクノロジー3. 人工知能(AI)

人工知能(AI)とはコンピューターで人間の知能に近い機能を実現するシステムです。
アップル社が開発した発話解析・音声認識アプリ「Siri」
グーグルの子会社ディープマインド社が開発したTVゲームのルールを自ら学習してプレイする「DQN」
囲碁のプロ棋士も破ったグーグルが開発した「アルファ碁(AlphaGo)」などが有名です。
フィンテックの代表的な例は資産を人工知能が自動的に運用する「ロボアドバイザー」です。
そのほかにも融資の判断やコールセンターでの顧客対応なども人工知能が行います。
テクノロジー4. ブロックチェーン

データの改ざんをほぼ不可能にしたデータベースの技術です。
取引の記録をブロックに入れて数珠つなぎにして扱うのでブロックチェーンと呼ばれます。

テクノロジー5. クラウド

クラウド(雲)とは、インターネット上でデータを保存、提供をするサービスです。
以前は自分のパソコンのデータは自分のパソコンでしか見ることができず、会社でこのデータを使いたいときはUSBメモリーに入れて持ち歩かなければいけませんでした。
でも、クラウドを使うようになればデータはインターネット上にあるので、外出先からスマホで・会社のパソコンで・ネットカフェのパソコンからでもデータを確認したり編集したりできます。
フィンテックで便利になる金融サービス7選
さて、ここからは具体的なフィンテックの事例を紹介していきます。フィンテック1. スマホで自動でグラフ化してくれる家計簿アプリ

従来
家計簿はレシートを一枚一枚チェックして金額を記入しなければいけないので、とにかく時間がかかり大変な作業でした。
お金を貯めるなら家計簿をつけることは大事だとわかっていても、調査によると7割以上の人が家計簿に挫折しているそうです。
フィンテックにより・・・
レシートをスマホで撮影するだけで項目や店舗が自動的に家計簿に反映されます。
銀行やカードと連携させれば、食費や光熱費なども自動で分類してくれます。

手書きで家計簿をつけると必ず出てくる使途不明金が、家計簿アプリなら限りなくゼロにできます。
代表的な家計簿アプリ
世界最高レベルのプライバシーとセキュリティ Moneytree(マネーツリー)

フィンテック2. 人工知能が自動で分散投資してくれるロボアドバイザー
従来
資産運用といえば、一部の富裕層だけがやっているという感じで、株式や債券を購入するなら証券会社や銀行に出向き専門職員と相談して、自分に合った商品を選んで購入しなければいけませんでした。
フィンテックにより・・・
スマホで簡単な質問に答えるだけで、自分に合った株式、債券、不動産などを人工知能が分散投資してくれます。
1万円から始められるところもあり、いつでも解約できるので誰でも手軽にプロレベルの資産運用ができます。
また、面倒な口座開設もスマホで免許証を撮影したりするだけで簡単にできます。
代表的なロボアドバイザー
フィンテック3. インターネットで資金調達できるソーシャルレンディング
融資を受けるときは、銀行などの金融機関に申し込み、融資担当者から返済能力があるか審査されて、金融機関に何度も足を運び、何枚も書類にサインや印鑑を押印したり、審査が通るまでに時間もかかっていました。
フィンテックにより・・・
インターネット上で「私はこれからこんな事業を展開するので資金を募集します」とアピールします。
そして、これに賛同した人たちから資金を調達して、事業を展開していけるようになりました。
このような仕組みをソーシャルレンディングといいますが、これまで銀行が融資しなかった案件(短期で返済される・会社を設立したばかりで信用がない・銀行から借りているがもっと借りたいなど)でも融資が可能になりました。

代表的なソーシャルレンディング
フィンテック4. スマホやタブレットがカード決済できるPOSレジに
従来
買い物や外食をしたときにカードで支払いたいのに、お店側にクレジットカードの決済端末がなければカード決済することができませんでした。
クレジットカード決済の端末は高額で、手数料も高く売上代金の振り込みも遅いため、小規模のお店はクレジットカード決済の導入には消極的でした。
フィンテックにより・・・
クレジットカード情報を読み取る小型端末をスマホのイヤホンジャックに差し込み、専用アプリをダウンロードするだけで、スマホがクレジットカード端末になります。

便利なカード決済企業
フィンテック5. ドライバーの腕で保険料が決まる自動車保険
引用元:https://www.axa-direct.co.jp/
従来
今までの自動車保険は、年齢、走行距離、事故歴などで保険料が決まっていました。
フィンテックにより・・・
自動車に専用のデバイスを取り付けスマホのアプリと連携させて、急ブレーキ、急発進した回数などを測定します。
安全運転をしている人は保険料が安くなり、危ない運転をしている人は保険料が高くなるか、保険に加入できなくなってしまいます。

テクノロジーを活用した保険会社
フィンテック6. 会計処理に革命をもたらすクラウド会計
従来
実際にビジネスを立ち上げても経理や給与計算などのバックオフィス業務に追われて、なかなか本業に集中できないのが現状でした。
フィンテックにより・・・
簿記の知識がなくても誰でも簡単に操作でき、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込んでくれて、手入力しなくても自動的に入力してくれます。
業務データもクラウド(インターネット上)で管理するので、今までは会社のパソコンでしか作業ができませんでしたが、スマホがあれば外出先、出張先でも経理状況が確認できるようになりました。
さらに、売掛金や買掛金の管理や請求書作成までも自動で行ってくれます。
代表的なクラウド会計
フィンテック7. 通貨の概念を変える仮想通貨
従来
通貨とは、国家などが管理しているため国の財政状況によって、通貨の価値が暴落したり、預金を引き出せなくなることもあります。
海外などにお金を送金するには、必ず中央機関を通し、高い手数料を支払い送金が完了するまでには時間もかかっていました。
フィンテックにより・・・
ブロックチェーンというテクノロジーにより、中央機関が存在しない仮想の通貨で送金や決済が可能になります。
仮想通貨は国境がないので、海外旅行などの時に両替の必要がなくなります。
中央機関がないので、預金封鎖の心配がない(過去に日本でも行われています)。
銀行と違って週末、日祝、時間に関係なく送金でき、送金手数料も格安です。
発行枚数に上限があるので、価値が上昇する可能性があります。

仮想通貨に関しては、こちらのサイトがわかりやすく解説しているので気になる方は覗いてください。というか今後のために絶対に見てほしいです。
仮想通貨取引所
まとめ:フィンテックの波に乗ってみよう
ここまでフィンテックの意味や成り立ち、7つの事例を紹介してきました。
フィンテックの金融サービスは、どれも便利ですし投資関係のサービスはリスクも当然ありますがワクワクするものばかりです。
今回紹介した家計簿アプリを使って家計を見直し節約できれば、その浮いたお金でロボアドバイザー、ソーシャルレンディング、仮想通貨などに分散投資をしてみれば絶対に面白いですよ。
投資はあくまでも自己責任になりますが、今や銀行にお金を預けてもいくらにもなりません。
「銀行にお金を預けることはリスクでしかない」とまでいわれる時代です。
今後はますますテクノロジーが進化して、フィンテックの波も大きくなるはずです。
ぜひ、この機会にフィンテックの波に乗ってみてはいかがですか。
次回は、フィンテックの事例をより詳しく実体験なども交えながら紹介していきますので、よかったらまた覗いてみてください。
フィンテックを学ぶためにおすすめの本
最後に、本格的にフィンテックを学びたい人におすすめの本を紹介しておきます。
FinTech革命
難しいテクノロジーの説明などが図解入りでとてもわかりやすく解説しています。
アメリカ、日本のフィンテック企業やメガバンクのキーマンがいろんな視点からフィンテックを語っているところが非常に興味深いです。
どちらかというとフィンテック初心者より、金融関係の仕事をしている人向けです。
まるわかりFinTechの教科書
フィンテック誕生の背景から実例まで詳しく説明されています。ベテランジャーナリスト丸山隆平さんがフィンテックの今後の可能性やベンチャー起業家の熱い思いに興奮している熱が読んでいて伝わってきます。
FinTech入門
日本のフィンテック企業を代表するマネーフォワードの代表辻庸介さんと取締役の瀧俊雄さんの著書です。
もっと自分のマネーフォワードの宣伝を入れてもいいのに、そこはさらっと流しフィンテックについて初心者にもわかりやすく解説しているところがカッコイイです。
マネーフォワードの家計簿アプリ同様に「ユーザー第一主義」に徹していて、フィンテックについて一番わかりやすく解説していると思います。

現在ウェブマーケティング会社を経営しながら、ビジネスと投資の2本立てで中長期視点での資産構築を目指す。海外金融商品の複利パワーを活用しながらさまざまな投資を組み合わせ実践中。プロフィールの詳細はこちら